春から秋にかけて全国で開催される野外フェス。自然の中で音楽やパフォーマンスを楽しめる一方で、主催者側にとっては設営作業が非常に重要です。
中でも見落とされがちなのが、「地面の段差」によるトラブル。特に荷物の運搬時に段差が障害となるケースは多く、設営効率や安全性に大きく影響を与えます。
今回は、実際のトラブル事例を交えながら、段差による運搬トラブルとその対策について詳しく解説します。

野外フェス会場で段差が問題になる理由とは？

自然の地形を活用する野外フェスでは、会場に舗装された地面が少なく、傾斜や段差が多いのが一般的です。特に次のような設営作業で問題が生じやすくなります。

• トラックからの機材搬出
• ステージやブースへの荷物運搬
• 重量物の台車・カートによる移動

段差があるだけで、これらの作業は一気に非効率になり、安全リスクも高まるのです。

【実例紹介】段差が原因で荷物運搬に大きな支障が出たケース

ある野外フェスで、搬入口からステージ裏までわずか100m程度の距離でしたが、その途中に15cmほどの段差や小さな階段が点在していました。この段差を見落としていた運営チームは、重量機材を乗せた台車が段差を越えられず、人手で持ち上げて運ぶ必要が発生。結果として以下のようなトラブルが起きました。

• 運搬作業に予定の2倍以上の時間がかかった
• 複数名のスタッフが腰や手首を痛める軽傷を負った
• タイトなスケジュールの中で設営が遅れ、リハーサル時間が短縮

この経験から、チームは以後、設営計画に「地面の段差チェック」を必ず組み込むようになりました。

段差トラブルを防ぐための実践的対策3選

①現地調査で段差の位置を把握する

• 会場下見時に、搬入口からステージ・ブースまでの動線を歩いて確認
• スマホで段差の写真を撮影し、スタッフ間で情報共有

②スロープ・仮設パネルを事前に準備

• 段差のある箇所には、仮設スロープやゴム製ステップを用意
• 専用のキャスター対応マットを敷くことで台車の走行もスムーズに

③重量物の運搬は道具と人員を計画的に配置

• 段差を超える運搬には、台車に合うスロープやフォークリフトを活用
• 運搬スタッフには事前に動線マップと注意点を共有